今日の4コマ漫画
日記(当時を思い出しながら)
急いで夕飯を作っていました。
キッチンでトントンと食材を切っていたら、とつぜんリビングで「ドン!」と大きな音がして、当時1歳過ぎの娘がギャン泣き。
慌ててキッチンからリビングに出ると、おでこ真っ赤っか、床も血の海、かたわらには倒れたイス。
一瞬、なんのことやら分からず、時が止まりました。
妻の「救急車!」という叫び声が聞こえ、急いで携帯を取り出し119。
「どうされましたか?」と聞かれても「イスが倒れてしまって、娘のおでこから血が出ていて…」と要領を得ない回答しかできず、電話の相手も少しイライラしたような感じで尋ねてくるので、余計に落ち着けず。
改めて振り返ると…
もうすぐご飯だということで、妻が娘の木製イスを出してきて、机の上を片付けていた、ほんの一瞬の隙に、娘がイスによじ登ってしまい、倒れておでこを打ち、出血してしまったようです。
このような状況を、ようやく説明したところで、電話越しに「救急車の出動をお望みですか?」
そのために電話してるんじゃないかと思いながら、大きな声で「はい!」と返事をし、血だらけの娘を抱いてマンションの階下に下りました。
エレベーターに乗り込んでから、救急車を待つ間、病院までの道中、ずっと「ゴメンネ、ゴメンネ…」と繰り返す僕と妻。
心配する気持ち、情けない気持ち、申し訳ない気持ち…とにかく娘に謝り続けました。
一方、娘はというと、怪我をした瞬間こそ痛みと驚きでギャン泣きでしたが、途中から初めての救急車や病院に興奮したのか、キャッキャキャッキャと笑い始めました。
とはいえ、傷口を見ると結構深いので、安心することなどできず、やっぱり、ずっと、ゴメンネゴメンネ…
結局その場で縫ってもらい、翌日早くにかかりつけのクリニックに行って診てもらいました。
傷跡は今でも少し残っています。
顔面でないのがせめてもの救いでした。
しかし…
傷ついたのは娘のおでこだけではありませんでした。
その日から妻が極度に怯えたり、色々なことに不安がることが増えました。
僕に対しても、些細なことをきっかけに、厳しい口調で詰め寄ってきたり、中国の実家に帰りたいと喚いたりすることが一回や二回ではありませんでした。
また、娘がよじ登ってしまったイスが、僕の両親からの誕生日プレゼントだったので、「お前の親はどうしてあんな危険なものを寄越したんだ」と泣きながら詰られたこともありました。
そのうち僕も堪え切れなくなって言い返してしまい、夫婦喧嘩も増える始末。
こんなはずじゃないと呆然とし、このままでは何もかもが崩壊すると思ったので、近所のメンタルクリニックを検索しました。
お医者さんのアドバイスも頂き、2人とも薬を飲んで脳を落ち着かせることで、1年くらいかかって、なんとか穏やかな暮らしを取り戻しました。
妻はまだ薬がないと不安になってしまう状態。
まわりの人は、誰だって怪我をしながら成長するんだから大丈夫だと言ってくれます。
そうだとも思います。
あのことがあったので、僕は毎日の働き方や、子育てへの関わり方を大きく変えました。
家族のために生きるというのは、誰のためでもなくて僕自身のためなんだと気づくことができました。
綺麗事のように聞こえるかもしれないけれど、これは本当に、今後の人生においても大事なことだと思います。
それに気づくことができたのは事実です。
でも、やっぱり、あの時の娘の断末魔のような叫び声は忘れられません。
子供の成長、パパとしての成長、それらと引き換えにするにしては、心に負った傷が少し大きすぎたと思います。
ゴメンネ、娘ちゃん。
ゴメンネ、妻ちゃん。
パパちゃん、頑張ります。
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