【図解】ライブハウスのビジネスモデル【イベント種類別】

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行動分析
 日本のライブハウスを支えているのはアナタだ!
 のっけから暑っ苦しくてごめんなさい。つきのひとです。

概要

 昨今のライブハウスは僕が青春時代に体感した雰囲気とは少し違って、お金の匂いがプンプンするなーということで、イベント別に「お金の流れ」を図解してみました。お客さん(特にオタクさん)は、知らないうちにいろんなものを背負わされていたのかもしれません。

さっそく、個々に流れるお金を整理してみましょう!
[aside]この記事はライブハウスに限定してビジネスモデルを分析しています!オンラインでクリエイターが稼げるサイトについてのビジネスモデル分析はこちらです!


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ライブハウスに流れるお金

  • お客さんが入場時に支払うチケット代およびドリンクチャージ
  • お客さんがライブを見ながら購入するドリンクの代金
  • 持ち込み企画の場合、イベント運営者からのスペース・設備のレンタル料金
ライブハウスお金の流れ

図1:ライブハウスお金の流れ

 ドリンクチャージ料は入場者数に比例して、追加のドリンク売り上げはお客さんの喉の渇き方次第で変動するわけですね。
 ここで少し気になるのがライブハウスのレンタル料金。場所やハコによって様々ですが、ざっとみたところ半日で数十万円といった感じです。[参考:都内のライブハウス・クラブの貸切イベント/ホールレンタルの料金まとめ
 イベントの種類によらず、バンドさんやアイドルさんがワンサカ出演するようなオープンなものでも、大学音楽サークル定期ライブのようなクローズなものでも、みんな基本的にこの価格。僕のか細い記憶によれば、学生時代にサークルから徴収された金額ってそれほどバカ高くはなかったはず。ということは、集客の多いイベントの日は結構儲かってるのでは…と邪推してしまいます。

イベント運営者に流れるお金

 多くのライブハウスでは出演者を直接募集することもしていますが、持ち込み企画で様々なイベントが行われる日もあります。ライブハウスでのイベント運営には関わったことがないので、ここの項目は推測するしかないのですが、多くの場合はお客さんが入場時に購入したチケットの代金は一度運営さんのところに集められてから、ライブハウスに上記の場所・設備レンタル料の支払いという流れになるのだろうと思われます。

[box class=”glay_box” title=”余計なお世話ですが…”] 最近は、都内の至る所で毎日アイドルイベントが開催されています。サイトでイベントスケジュールを見てみると、10年前は硬派なロックバンドが出演することで有名だったライブハウスも、 ひと月の半分以上がアイドルイベントで埋め尽くされているような状況です。中には20組を超えるアイドルユニットが間に休憩を挟まずにそれぞれ15分の持ち時間で次々と出演するイベントもあるくらいです。どんなユニットでもお客さんが0人という状況は見たことがないので、おそらく運営さんが赤字経営ということはないのではないか …と勝手に推測しています。もしそうであれば、あまり健全な状態とはいえないのではないか…とこれまた勝手に危惧しています。これについては、また別の記事にしたいと思います。[/box]

出演者に流れるお金

  • ライブハウス・イベント運営者からのチャージバック(ノルマ制の場合は売上の一部)
  • お客さんからの物販売上
図2:出演者に流れるお金

図2:出演者に流れるお金

 バンドやソロで出演する場合、ノルマ制とチャージバック制で少し異なります。ノルマ制とは、チケットが出演者に課せられたノルマを超えて売れた場合、売上金額のうち一定の割合が出演者に振り分けられる方式です。それに対してチャージバック制とは、純粋にチケット売上数に対する一定割合の金額が出演者に振り分けられる方式です。ただ、初心者出演者を対象として開催されるイベントの場合、売上ノルマが無いかわりに出演者へのバックも無しということもあります。[参考:音楽活動完全マニュアル ライブ活動編3/ウタレン
 もともと出演者にお金が流れる仕組みとしてライブハウス側が用意しているのはチケットの売上に対応して支払われるものしかなかったのですが、中には物販ブースを設けてお客さんにCDやグッズを販売するバンドさんもいます。僕も素敵な演奏に衝撃を受けたときの興奮状態で、卓上に並んでいるCDを全買いしてしまうことがよくあります。

お客さんに流れるお金

 ありません。

各種イベントのビジネスモデル

 以上、各立場からお金の流れを見てきたので、一度ここでまとめてみたいと思います。次のように、イベントの形態によってお金の流れ方を図示してみました。

 1. アイドルイベントのビジネスモデル

図3:アイドルイベントのビジネスモデル

図3:アイドルイベントのビジネスモデル

 ぱっと見、お客さん(オタクさん)が支払うものの種類が多いですよね。お客さんと出演者さんの間にイベント運営者が挟まっているのも気になります。
図4:アイドルイベントはピラミッド型

図4:アイドルイベントはピラミッド型


そこで、お金を支払う人を下、受け取る人を上に配置してみたら、左のようなピラミッドが形成されました。下の人が上の人を支えているというふうに見て構わないと思います。
 アイドルビジネスのお決まりとして、アイドルはどんなに辛くても、お客さんの応援を受けて頑張るんだ…みたいな構図がよく描かれるわけですが、こうしてみるとお客さん(オタクさん)にのしかかっている負担の方が、かなり辛いことがよくわかります。
 余談ですが、お客さんとアイドルさんの関係性によっては、これに加えて毎回物販で1,000円払ってチェキ撮ったり、グッズが出るたびに購入したり、さらには毎度いろんな差し入れを献上したりと、涙ぐましい努力をしているのは一体どちらなんだろう…なんてこと僕はぜんぜん思ってません。自分の好きなものにお金を払うも払わないも自由ですからね。ただ、もっとクリアな方法が選択されるべきだろうとは思います。

2. バンドライブのビジネスモデル

図5:バンドライブのビジネスモデル

図5:バンドライブのビジネスモデル

図6:バンドライブはお客さんの双肩にかかっている

図6:バンドライブはお客さんの双肩にかかっている


バンドライブの場合にも、実際にはイベント運営者が間に入ることもありますが、その場合は1のアイドルイベントとほぼ同じ構図になるので、この図では運営さんが間に入らないものを想定しました。ちょっとスッキリした分、お客さんの負担が強調されているようにも見えます。
 お客さんが支えなければならないものからイベント運営者が無くなったので、ピラミッドではなくなりました。こうして見ると、イベントの成功は文字通りお客さんの双肩にかかっているといっても過言ではないですね。

新しい形

 さて、上記のように、音楽を楽しみたいという一般利用者の立場から言えば、従来のビジネスモデルではお客さんの負担が大きいです。
 また、毎回毎回お客さんを呼べるライブを続けるためには、出演者としても相当の努力が必要です。実力がある人は、続けていればちゃんとファンがついて、コンスタントに集客できるのかもしれません。しかし結局は出演者の負担分をお客さんが支えるという構図に変わりはありません。
 ということで、最近では以下のような形態をとる飲食店が出現しているようです。

 スポンサー付きライブカフェ

図7:スポンサー付きライブカフェのビジネスモデル

図7:スポンサー付きライブカフェのビジネスモデル


渋谷の「LIVING ROOM CAFE by eplus」というお店で採用されているスタイル。これについてはすでにGANOさんがブログで紹介されています。

特に注目していただきたいのはその料金設定。ミュージックチャージが300円で、それに加えてチップ、投げ銭ですね。チャージと投げ銭で音楽を楽しむことができます。
しかも、そのチャージとチップは全額その日のアーティストにお渡しすると明記されているんです!
これすごい!お店側は料理と飲み物で利益をちゃんと出すから音楽に対してはマージン取らないよってスタンスなんですよ。演者うれしすぎ!
[参考:実際に行われている食事+音楽のお店。投げ銭よりチャージを払う方が嬉しいかも/Past Orange

図8:スポンサー付きライブカフェはバランスが良い

図8:スポンサー付きライブカフェはバランスが良い

 飲食店本来の部分を除けば、音楽に関するものについてはスポンサーが広告料によってお店を支えて、お客さんがミュージックチャージによって出演者を支えるという形です。従来のライブハウスビジネスで見られたお客さんの過重負担が、見事に解消されています。念のため左の図で見ると、だいぶ適正な形に近づいていると言えるでしょう。
 今はやりのコンテンツビジネスの用語を使って説明すると次のような感じですね(星川祟さんのツイートを大いに参考にさせてもらいました)。
  • ライブカフェ=プラットフォーム
  • スポンサー=広告主
  • 出演者=コンテンツホルダー
  • 楽曲=コンテンツ
  • お客さん=ユーザー
 上掲のお店の場合、スポンサーがe+ということで、隣接業種(というかほぼ同じ業界)の企業がユーザーマーケットをシェアしている形になっています。ライブカフェ、出演者、お客さんの関係がウィンウィンウィン。すごくスマート。テレビ・雑誌のようなマスメディアとは違うので、広告主の意向がコンテンツの内容に対してあまり影響しなさそうなところもミソですね。
訴えてやる まあ、ロックバンドの演奏で押し合いへし合いドンチャン騒ぎがしたいんだっていう熱い漢(おとこ、女性の場合も含む)や、みんなで振りコピとかケチャとかミックスとかしてアイドルさんを応援するんだっていう熱いオタクさんにとっては、やっぱり違うなーという感じなのだろうけれど。その場合は上記のビジネスモデルの渦に巻き込まれて、気づいたら推しのアイドルさんがイケメン一般人とラブラブいちゃいちゃスキャンダルで左の図のようにコンチクショーとか(以下略)
 ただ、アイドルさんの中には類まれなる根性とプロ意識を持っている人もいて、そういう人が天下を獲ったりするから、決してバカにはできないし、してませんよ、ぜんぜん。ただ、ビジネスモデルとしてはアコギ(爽やかなアルペジオとか弾く楽器ではない方の)だなーと、思うだけです。
 以上、かわいいピクトグラムは[ヒューマンピクトグラム 2.0]より。

余談ですが…

 本文ではちょっと省略しましたが、ライブハウスのスタッフとして照明さんとPAさんがいます。照明さんは出演者に対して様々な色のライトを浴びせてくれるし、PAさんは楽器・オケや歌声をその場で混ぜ混ぜしてくれる大事な大事なお仕事ですね。彼らに対する報酬は月給制なのか都度払いなのか分かりませんが、ライブハウス全体の運営方針によって異なるんだと思います。僕がお客さんとして良いライブハウスに行くと、出演者さんが視覚的にも音響的にもキラキラしてると感じられます。毎回のライブが出演者の実力だけではなくて、いろんな人たちの力で輝かせてもらってるんだってことを忘れちゃいけないですね。

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