【図解】クリエイターが稼げるサイトのビジネスモデルを分析してみた

テックとハック

クリエイターが稼げるような仕組みって、一体どういう形なのでしょうか?
近年、クラウドソーシングをはじめとして、クリエイターが作品を売ったり、発注に結びつけられるようなサービスがたくさん展開されています。
この記事では、イラストレイター、写真家、DTMer、シンガーなどなど…様々な形で活動を展開されているクリエイターさんたちが、より良い形で、ご自身の作品価値を認めてもらえる仕組みを探すお手伝いをします。

3種類のモデル

今回ご紹介するサービスは、以下3つのモデルに分類されます。

つきのひと
つきのひと

モデルの名称は僕が勝手につけてみました。

  1. 「プラットフォーム」モデル
  2. 「スポンサー」モデル
  3. 「ギャラリー( + 投げ銭)」モデル

下の方では、それぞれのモデルについて2つの図解を使って分析しています。
まず ① 「お金の流れ」を整理しました。
その上で、② 「サイト運営をめぐるお金を誰が支えているのか」 を整理しました。

「プラットフォーム」モデル

図1:プラットフォームモデルの「お金の流れ」

まず、【図1:プラットフォームモデルの「お金の流れ」】を見てください。
なるべくぱっと見で理解できるようにイラレ操作頑張りましたが、ちょっと説明します。
この図では、「プラットフォーム」モデルに登場する役割には以下の3つあることを示しています。

  1. サイト(プラットフォーム)
  2. 発注者(ユーザー)
  3. クリエイター(コンテンツ)

ではでは、肝心の「お金の流れ」について見ていきましょう。

  •  発注者⇨クリエイター:購入の際にお金を支払う。
  •  発注者⇨サイト:購入料の一部が手数料として支払われる。
  •  クリエイター⇨サイト:売上金を引き出す際に一定料金に達していなければ引き出し手数料を支払う。

図2:プラットフォームモデルの「お金を支えている人」

このように「お金の流れ」を整理したところで、次は【図2:プラットフォームモデルの「お金を支えている人」】を見てみましょう。
この図で説明しているのは、下の人が上の人を金銭的に支えているということです。
[aside]応援とか気持ちとか、精神的な面については話が別ですので、悪しからず。[/aside]
ここから読み取れるのは、まず発注者(ユーザー)が一番下で全てを支えているということです。
ちなみに、各ボックスの左上にちょこんと赤い丸があって、数字の「1」とか漢字の「多」「多多」が書き入れられています。
これは下の立場が上の立場を支える際に、どれくらいの人数比であるのかというのを示したものです。
これらを踏まえて、細かく見れば、以下のことも言えるでしょう。

  •  サイトは特に支えていない。(実際にはルール作りであったりとか、システム運営の面で活動を支えているのはもちろんですが)
  • 多くのクリエイターが1つのサイトを支えている
  • さらに多くの発注者が多くのクリエイターと1つのサイトを支えている

これは、現在最も一般的なプラットフォーム運営の形ですね。

プラットフォームモデルの例

「スポンサー」モデル

図3:スポンサーモデルの「お金の流れ」

では同じ要領で、「スポンサー」モデルも見ていきましょう。
今度は役割が4つになっています。

  1. サイト
  2. 発注者
  3. クリエイター
  4. 広告主

このモデルでは、広告主の文字通りスポンサーとしての働きが最も重要だと言えるでしょう。

  • 発注者は、クリエイターから購入する際にお金を支払う。
  • 広告主は、アドセンス広告の表示やクリック、あるいはアフィリエイトバナーからのコンバージョンがあった時点でサイトに支払う。

面白いのは、発注者からクリエイターに流れるお金と、サイトに流れるお金に連続性が無いという点です。
[aside]※ 細かく言えば、アドセンスやアフィリエイトのリンク先を閲覧する可能性が最も高いのは、サイト利用者である発注者やクリエイターなのですが、必ず支払わなければならない料金というわけではないので、ここでは考えないこととします。[/aside]

図4:スポンサーモデルの「お金を支えている人」

それでは、【図4:スポンサーモデルの「お金を支えている人」】も見てみましょう。

  • 広告主がサイトを支えている。
  • 発注者がクリエイターを支えている。

先ほども触れたように、広告主⇨サイトと、発注者⇨クリエイターの関係性が分離しています。
お金を支払うことによって「誰が何を支えたいのか」という目的ー手段のモデルが、よりシンプルに現れていますね。
この関係性については、以前、ライブハウスやライブバーのビジネスモデルを分析した時に、新しいモデルとしてご紹介したことのあるものと共通しています。
興味があったら、記事最下部の「あわせて読みたい」にリンクを貼っておきますので、ご参照ください。

スポンサーモデルの例

[aside]タノムノは、2018年1月に新規立ち上げされたばかりの新しいサイトです。クリエイターさんにとっては登録無料、取引に関する手数料もかからない(その代わりトラブルなどは自分たちで対処する)設計なので、上記のように、ユーザーとの直接的な関係性を築くことができます。[/aside]

「ギャラリー (+ 投げ銭)」モデル

図5:ギャラリーモデルの「お金の流れ」

第3のモデルはギャラリーモデルです。
【図5:ギャラリーモデルの「お金の流れ」】を見てみましょう。
このモデルは、現在では販売・購入がメインではなく、閲覧者が「作品に感動した!」という気持ちクリエイターに対する投げ銭ことで表すという、ちょっと面白いムーブメントが背景にあります。

  •  閲覧者は、作品に感動した際に任意でクリエイターに投げ銭として支払います(価格は投げ銭する側が自由に決める)。
  •  また、閲覧者はサイトの設計者に対しても、同じく感謝の気持ちを投げ銭として支払うことができます(クリエイターが閲覧者側に回ることもあります)。

注目すべきは、同じ利用者が、クリエイターに支払う立場のユーザーにあったり、サイトに支払う立場のスポンサーになったり、役割が一定ではないところですね。
非常にインターネット時代に即したモデルであると思います。

図6:ギャラリーモデルの「お金を支えている人」

それでは、【図6:ギャラリーモデルの「お金を支えている人」】も見てみましょう。

  • 多くの閲覧者がユーザーの立場として1人のクリエイターを支えている。
  • 多くの閲覧者がスポンサーの立場として1つのサイトを支えている。

従来型のビジネスモデルでは、比較的多くの金額を扱える企業でなければ、スポンサーの立場としてサイトを支えることができませんでした。
また、スポンサーの目的は自社のブランドや製品を売ることであって、クリエイター界隈が賑わうことと必ずしもマッチしていないことがあります。
それに対して、投げ銭を組み入れたモデルだと、一個人がスポンサーとなることができます。
さらに、ユーザーがスポンサーの立場としてお金を支払う時、その目的はクリエイターへの感謝を表すことと、クリエイター界隈からさらに良い作品が生まれることを願ってのものです。
したがって、このモデルがうまく回るようなシステムが実現されれば、クリエイターは、閲覧者が感動するコンテンツを生み出すことにのみ傾注できると言えるでしょう。

ギャラリーモデルの例

[aside]「tipmusic」については、僕もDTMerとしてもリスナーとしても利用したことがあります。詳しくは、記事最下部の「あわせて読みたい」にリンクを貼っておきますので、ご参照ください。[/aside]

まとめ

この記事では、以下3つのモデルについてそれぞれ、「お金の流れ」と「支えている人」を図示して分析した結果を解説しました。

  1. 「プラットフォーム」モデル
  2. 「スポンサー」モデル
  3. 「ギャラリー( + 投げ銭)」モデル

今後のクリエイター活動の参考にしていただけると幸いです!

あわせて読みたい

http://luuluuul.com/bussiness-model-of-livehouse/
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http://luuluuul.com/thank-you-tipmusic/

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